学校史上、初の3連覇を果たした創成館。
秋はベスト8、春は準優勝とおととし、去年に続き、夏に照準を合わせ、無冠からつかんだ甲子園切符。
長崎大会全5試合で、エラー数はわずか2つ。
創成館伝統の「守り勝つ野球」を徹底してきました。
稙田龍生監督:
「森下の成長とともに守備力も成長しましたね」
背番号1をつけるのは、最速149キロ右腕森下翔太投手。
この夏、すべてを先発登板し、35イニングを42奪三振。
森下翔太投手:
「ピンチの場面が多かったりしたんですけど、そこで粘るピッチングができたところもあって、(準々決勝)波佐見戦だったり、九州文化との最後9回で追いつかれたっていうところは反省点が多いです」
夏の飛躍のきっかけとなったのはライバルの存在でした。
森下翔太投手:
「2年生の時に奥田が甲子園を経験していて、それをスタンドから見て、本当に悔しいという思いが強かったので」
去年夏、甲子園2回戦を先発登板し、去年秋・春の九州大会、会長杯とエースナンバーだった奥田晴也投手。
奥田晴也投手:
「2年生の冬、紅白戦みたいな時で、すごく球が速くなっていて、いきなり上がったんで、おおっと思って。よくなってきてるな、やばいなって」
夏、奥田投手は背番号11に。
決勝までに2試合登板し、3イニングを3失点。不調が続いていました。
そんな中、長崎大会決勝では、11回ウラ、168球を投じ、疲れが見え始めた森下投手に変わって登板。無死満塁、一打サヨナラのピンチでダブルプレー。
去年夏の大舞台で培った経験値と精神力を発揮。見事な投手リレーで栄冠を手繰り寄せました。
いつの間にか、2人はライバルを超えた存在に。
奥田晴也投手:
「春ぐらいは、ライバルってイメージだったんですけど、今は支え合ってみたいな感じです」
森下翔太投手:
「ずっと奥田は追いかける存在だったのでそこから冬頑張って、ライバル視出来るところまで行って、今はお互いに支え合って助かるっていうか信頼できる存在です」
そんな選手たちの活躍を支えているのが、トレーニングルーム。
森下投手はここで下半身を強化し、入学時110キロ後半だった球速をおよそ30キロ伸ばしました。
この夏2試合に登板した今村優日投手に3年間で培った森下投手の筋肉を確かめてもらうと…
今村優日投手:
「硬いですね、めっちゃ硬いです。自分と森下の絆くらい硬いです」
投手陣の活躍が光る創成館。
甲子園での攻撃のテーマは…
稙田龍生監督:
「力でくる選手が多いので、甲子園では、こっちは技でいこうかなと思っています」
準決勝の小浜戦。2アウト1塁3塁でディレイドスチールを決め、得点を上げるなど、ヒットがなくとも足でつないできた創成館。
4番・山下翔選手はここぞの場面でセーフティースクイズを決め、得点につなげてきた仕事人です。
山下翔選手:
「4番なんですけど、打ちたいっていう気持ちもあるんですけど、それを抑えながらチームが勝つことが一番大事だと思うんで」
それぞれが役割を全うし、夢舞台をつかんだ創成館。目指すのは…
稙田龍生監督:
「去年もおととしも1勝しかできていませんし、やっぱり2勝3勝とベスト8くらいは最低でもいきたいなと考えています」
練習終わり。選手たちの寮に潜入!
下川輝主将に、ルームツアーをお願いしてみました。まずお邪魔したのは…
下川輝主将:
「211の彼。甲子園から背番号4番になったので、中山くんにお話を聞きたいと思います!失礼します」
決勝でセカンドを守った身長157cmの中山龍之介選手。
スポ魂のために、とっておきの特技を用意してくれていました。
中山龍之介選手:
「小6くらいから始めたトランプマジックが相当得意なんですけど。スポ魂スペシャルのマジックを…」
仲間も見守る中、見事なマジックを見せてくれました。
続いて…
下川輝主将:
「こちらが、うちのエースの森下の部屋です、どうぞ」
森下翔太投手:
「去年の先輩たちのタオルだったり、先輩からいただいたメッセージを飾ってます」
同じ部屋の1年生・上野由翔投手に普段の様子を聞くと…
上野由翔投手:
「(森下投手は)ずっと部屋にいないです。午後10時くらいから」
記者:
「何してるの?」
上野由翔投手:
「グローブ持って、セミナー行って、シャドーずっとしてます」
ベッドの上にはぬいぐるみも!
いつも一緒に眠っているんだとか。
森下翔太投手:
「再現ですか?毛布かぶって、いつも。こんな感じで」
もう一つ、気になるものが…
森下翔太投手:
「末永湊斗くんが大ファンで、さっきここで写真集を見てました」
末永湊斗投手:
「やめてくださいほんとに、恥ずかしいです」
末永湊斗投手:
「TikTokerです、インフルエンサーです。自分の一番の推しです」
推しに届けとメッセージを送ります。
末永湊斗投手:
「水野舞菜さん、中学1年生の時から大好きです。甲子園行ったら、甲子園優勝したら、付き合ってください。お願いします!」
どうやらエースにも推しがいるようで…
森下翔太投手:
「自分、一番あの、好きな女優さんが、出口夏希さんが、自分、推しに活躍を見てほしいです」
選手たちの素顔が垣間見えた若竹寮でした。
出発前日の壮行会。
下川輝主将:
「先輩方の成績を超えられるような成績を残したいと思っています。引き続き、熱い応援、よろしくお願いします!」
創成館野球部:「甲子園乗り込むぞ!」
そして、出発の日。
下川輝主将:
「行ってきます!」
記者:
「オンライン抽選まずあるけど、どこと当たりたいとかありますか?」
下川輝主将:
「まあ、強い高校と、1回戦は当たりたいですね」
森下翔太投手:
「いやもう本当に楽しみです。横浜高校と対戦してみたい気持ちはありますね」
下川輝主将:
「出来ればやりたいですね。森下くんのピッチングに注目してください」
3年連続でつかみとった甲子園切符。
44チームの思いを背負って、長崎代表・創成館史上、一番長い夏を目指して聖地へ挑みます。