東京都議選　明暗くっきり　自民“惨敗”参院選へ影響は？

　22日、投開票された東京都議会議員選挙では自民党が惨敗。約1カ月後に迫った参院選にどんな影響が出るのでしょうか。

■自民“惨敗”　参院選へ影響は？

　40回以上応援演説を繰り返し、躍進です。

小池百合子都知事 「私も街頭（応援に）参りましたけど、国際情勢、大変厳しいなかで一人ひとり都民の生活をどう守っていくのか、具体論などに触れて、そして都民の皆様方の共感を得ることができた」

　一方で、対照的だったのが国のリーダーです。

石破茂総理大臣 「非常に厳しいご審判をいただいたと思っております」

　自民党が都議選で歴史的大敗です。第1党を退き、小池都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」にその座を渡しました。

　都民ファーストの会が議席数を6増やしたのに対し、自民党は8議席を失う結果に。過去最低だった2017年の23議席を下回る議席数です。

石破茂総理大臣 「我々として、どのような訴えが届かなかったのか、きちんと分析をして、今後に生かしていかねばならない」

　そうしたなか、初めて議席を獲得する政党も出ました。

　国民民主党は目標の5議席を上回る9議席を獲得。参政党も今回の選挙で初めて3議席を獲得しました。

　一方、去年の都知事選で2番手についた石丸伸二氏が代表を務める「再生の道」は42人の候補者全員が落選です。

　そして、それぞれが見据えるのは来月20日に投開票となる見通しの参院選です。

自民党　井上信治東京都連会長 「基本的には都議会議員選挙といっても地方選挙の一つですから、国政選挙に直接の影響を与えるものではないと思っています」

　ただ、実際には自民党内の危機感は高まっています。

自民党　閣僚経験者 「こういうひどい結果になると思っていた。『小泉効果で支持率が上向いた』『風向きが変わった』と言うけど、あれはあくまで雰囲気でしかない」

自民党幹部 「普通負けないところで負けた。不記載の問題がきいているということだろう。国政選挙になったら都民ファの票はどこに流れるかだ」

■都民ファーストの会　票の行方

　焦点は「都民ファーストの会」の票の行方です。

JX通信社　米重克洋代表取締役 「これは、一つのところに塊で行くということはない。もとは国政政党の支持層別でみると、無党派層とか自民党支持層とか、あとは立憲、維新、国民民主の支持層の一部が集まって都民ファーストの会の支持層になっています。ですからこれらの政党、特に非自民党の選択肢にかなり分散していく」

　「非自民への分散」。その予測には都議選での自民党支持層の動きも大きく関わっています。

JX通信社　米重克洋代表取締役 「今回の都議選の結果を出口調査でみていくと、大体、自民党の支持層が自民党に投票した割合が5割から多くても6割くらいだと見られている。つまり自民党支持層の4割から5割は自民党候補に投票していない。ですからこういった自民党に投票できないような自民党支持層は、やはり野党の中でも国民民主党や参政党など元々、自民党支持層だった人が支持基盤になっているような政党に多く流れるんでしょうし、それ以外の野党の支持層も都民ファーストに投票していますが、こういった支持層はそれぞれの野党候補者に投票していく」