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2025/6/22(日) 23:30

「核開発」めぐる米イランの対立歴史 “自制”促すトランプ大統領一転攻撃容認の理由

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「核開発」めぐる米イランの対立歴史 “自制”促すトランプ大統領一転攻撃容認の理由

イランの対応に焦点が集まる中、イランの最高指導者ハメネイ師直属の精鋭部隊でもある革命防衛隊が声明を出し、核施設を攻撃したアメリカに対して、報復を警告しました。今後どうなるのか?緊迫化する中東情勢の行方を分析しました。 ■「核開発」めぐる米 イランの歴史 (トランプ大統領)「中東のいじめっ子、イランは今や平和をつくるべきだ。そうしなければ、今後の攻撃はさらに大規模で容易になる。40年間、イランは言い続けてきた『アメリカに死を、イスラエルに死を』と。」 イランの核施設への攻撃に踏み切ったトランプ大統領。アメリカ軍によるイラン領内への直接攻撃は初めてのことです。アメリカとイランの対決の歴史は、1979年のイラン革命にさかのぼります。この時、親米の王政が倒され、イスラム教シーア派による宗教指導体制が誕生。同じ年、イランの学生グループが外交官らを人質に、アメリカ大使館を占拠する事件が起き、1980年、アメリカはイランとの国交を断つことに―。 2002年には、当時のブッシュ大統領が、イラク、イラン、北朝鮮の3カ国を「悪の枢軸」と名指しする中、核開発疑惑が明らかになります。2015年には、アメリカなど6カ国とイランとの間で、イランが核開発を制限する代わりに、経済制裁を解除する、核合意が結ばれます。しかし、2018年、第1次トランプ政権が一方的に離脱。イランの核開発の加速を招くことに―。再び大統領に返り咲いたトランプ氏は当初、このイランの核問題について、外交的な解決を目指すとしていました。 ■トランプ氏・当初は“早期合意”に自信 (トランプ大統領)「とても特別な人です。長い付き合いになります。」 4月ホワイトハウスで、イスラエルのネタニヤフ首相にイランとの「核協議」を始めることを伝えました。 (トランプ大統領)「我々はイランと直接話し合っている。もし、イランとの話し合いが成功しなければ、イランはとても危険な状況に陥ると思う。言いたくないが大きな危険だ。イランは核兵器を持ってはならない。」 4月12日から始まったアメリカとイランの高官による核協議。5回目の協議を終えた後、トランプ大統領は自信満々に… (トランプ大統領)「本格的な進展があった。イランとの協議は予測が難しいがきわめて順調だ。実現したい。空爆で多くの犠牲者が出るのは見たくない。」 早期の合意実現に期待を寄せていたトランプ大統領。イランの核施設を攻撃したいイスラエルのネタニヤフ首相にも、イランと協議中であることを理由に自制を求めていました。 (トランプ大統領)「解決に非常に近づいている。攻撃するのは不適切だとイスラエルに伝えた。」 しかし、イランは核開発を平和利用の目的だと主張。ウラン濃縮活動の完全な放棄を求めるアメリカ側の要望には応じず、溝は埋まらないままでした。そして、13日、イスラエルのイラン攻撃で、自制を求めていたトランプ大統領は、態度を変えます。 (トランプ大統領)「我々は当然イスラエルを支持する。」 ■イスラエルの攻撃・トランプ氏・なぜ容認 今月15日に予定されていた6回目の協議を待たずに13日、イスラエルがイランの核施設を攻撃。イランの精鋭部隊・革命防衛隊のトップや核科学者らを殺害しました。これに対し、トランプ大統領は… (トランプ大統領)「我々は当然イスラエルを支持する。手遅れになる前に、イランは今すぐテーブルにつき、取引しなくてはならない。いずれ取り返しのつかないことになる。」 イスラエルに自制を求めていたトランプ氏ですが、イランへの攻撃を評価。6回目の核協議は中止となりました。なぜアメリカはイスラエルの攻撃を容認したのか…中東情勢に詳しい、放送大学の高橋和夫教授は… (中東情勢に詳しい放送大学 高橋和夫教授)「イランとの交渉が思ったほどうまくいかなかったと。イスラエルの攻撃がイランを(アメリカとの)交渉に動かすのではという期待があった。」 イランの核開発疑惑をめぐっては今年3月の上院公聴会で、CIAなどアメリカの情報機関を統括するギャバード国家情報長官が「イランは核兵器を製造していないと判断している」と証言しています。ところがトランプ大統領は… Q.イランが核兵器を製造している証拠は?あなたの情報機関はないと言っている (トランプ大統領)「それなら私の情報機関が間違っている。誰が言ったんだ?」 Q. ギャバード国家情報長官です 「彼女が間違っている」 そして… (トランプ大統領)「(イランに)一定の期間を与える。様子は見るが、最大2週間だろう。」 しかし、トランプ大統領は2週間の期限を待たず、イランの核関連施設への爆撃に踏み切ったのです。なぜこのタイミングでの直接攻撃となったのか… (中東情勢に詳しい放送大学 高橋和夫教授)「早くやる方が奇襲効果があるということ。トランプ大統領は今回は核施設を破壊するだけの、そういう外科手術的な攻撃で始めたのだと思いますね。」 トランプ大統領を強く支持する、アメリカ第一主義のMAGA派は、アフガニスタンやイラク戦争が泥沼化し、国が疲弊したことを背景に、他国への軍事介入に反対しています。 ■中東のアメリカ基地 標的? イラン報復警告 革命防衛隊は22日、アメリカの攻撃を受けて声明を発表。 (革命防衛隊)「テロリストである米国政権による本日の侵略行為は、イラン・イスラム共和国に正当な自衛権の枠内で、侵略者同盟の妄想を超える形で対応する選択肢を与えた。」 イランとアメリカの対立は、今後、どこまでエスカレートしていくのか… (中東情勢に詳しい放送大学 高橋和夫教授)「アメリカにたたかれたら我慢するしかないよね。報復はもちろんできるんだけど、アメリカに勝てるわけではない。となると、やっぱりアメリカ軍を受け入れているクウェートやサウジアラビアとか、周辺の産油国に対して、いい加減にしろと圧力をかけてくる。具体的には、そういう国々の石油関連施設を攻撃してくるとか。そういうのが怖いシナリオですよね。」 第1次トランプ政権で中東政策を担当した元国防総省の高官は… Q.中東にある米軍基地が狙われる可能性は? (第1次トランプ政権で中東政策を担当 グラント・ラムリー氏)「その可能性は確実に高いリスクとしてあります。」 さらに、イランの友好国の対応にも注目していると言います。 (第1次トランプ政権で中東政策を担当 グラント・ラムリー氏)「イランの核プログラムを後退させることは、多額の資金を投入した体制への大きな打撃になります。イランのパートナーである中国やロシアに対しても、間接的に打撃になります。」 アメリカとイランの対立。カギを握るのはロシアの存在です。 ■23日 イラン外相とプーチン氏会談へ 対立はエスカレートするのか… カギを握るのはイランと友好的な関係にあるロシア。ウクライナ侵攻をめぐり、イランはロシアに大量のミサイルや無人機を支援した経緯があります。 アメリカメディア「アクシオス」の記者はSNSで、イランのアラグチ外相が23日にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する予定だと報じました。 (中東情勢に詳しい放送大学 高橋和夫教授)「イランとロシアはいろんな条約結んで、関係は近いことになっているんですけど、消して親密ではない。イランの防衛体勢はロシアの兵器で成り立っているでしょ。全然役に立たずイスラエルにみんなやられちゃったから、イラン人はそれに対して頭にきている。(現在イランは)ロシアと中国しか頼るところがないんですよね。」 6月22日『有働Times』より

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