「中東情勢悪化は利益に」ロシア・メディア報道「体制転換狙いなら脅威」とも

　イスラエルとイランの新たな軍事衝突はロシアによるウクライナ侵攻にも大きな影響を与えています。ロシアメディアは皮肉にもロシアに利益をもたらしていると指摘しています。

　ロシアの有力紙コメルサントは15日、専門家の話として、イスラエルとイランの軍事衝突がエスカレーションするほど原油価格が高騰し、ロシア経済に利益をもたらすと報じています。

　さらに、西側諸国のウクライナへの関心が低下し、軍事支援が中東に回されたり、西側諸国内部で意見が対立することもロシアの利益だと指摘しています。

　また、イランとイスラエルの双方と近い関係にあるロシアが仲介役を務めることができれば、シリアのアサド政権崩壊で失った中東におけるロシアの影響力を取り戻せるとの見通しを示しています。

　一方、イスラエルの狙いが核開発の阻止にとどまらず、イランの体制転換だとすれば、ロシアにとって新たな脅威になると指摘しています。

　プーチン大統領は14日、アメリカのトランプ大統領に対して仲介する用意があると伝えましたが、事態の鎮静化に向けた動きはまだ見えていません。