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2025/5/27(火) 19:03

随意契約のカギは「精米」“対象外の卸業者”に依頼殺到

  • #経済

 「随意契約」を巡り、アイリスオーヤマのグループ会社が契約を完了したことが分かりました。販売に向けて急加速するなか、対象から外れた業者には戸惑いが広がっています。

■「6月2日に5kg2000円で」

 27日午後4時すぎ、小泉進次郎農林水産大臣(44)が面会したのは…。

小泉進次郎農水大臣 「きょうは本当にありがとうございます」

 大手生活用品店「アイリスオーヤマ」の大山社長。グループ会社が随意契約の申し込みを行っています。

小泉進次郎農水大臣 「今後どういった形で世の中に、店頭に、ネット販売も考えておられるということですから、どのようなイメージで6月2日以降に並んでいくか、お話を伺えれば」

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長 「今の予定で6月2日に5キロ2000円、税抜きで販売する計画。我々はネット通販もあるし、グループの中にホームセンターもある。そちらでも店頭販売をしたい」

■“対象外の業者”ホンネは

 「店頭価格2000円の備蓄米」を巡る動きが急激に加速するなか、今回、随意契約の対象にならなかった卸売業者からは戸惑いの声も出ています。

 朝、広島県にあるコメの卸売業者に届いたのは福井県産の備蓄米「ハナエチゼン」24トンです。この備蓄米は先月に行われた3回目の「競争入札」で落札されたものです。

 新たに入荷した備蓄米が運ばれていく倉庫の中には、うず高くコメ袋が積まれています。どれほどのコメが保管されているのでしょうか。

卸売業者 食協 武信和也社長 「この倉庫は玄米の倉庫。大体3500から3600トン入る。今は在庫が3000トンくらい入っている」

 倉庫には取引先に卸す1カ月分の在庫3000トンのコメが。

卸売業者 食協 武信和也社長 「これが1回目の入札で落札された備蓄米。新潟県産の備蓄米」

 1回目の競争入札でJAが落札した備蓄米です。

 当初は今月末に予定されていた4回目の「競争入札」に参加するつもりだったといいます。

卸売業者 食協 武信和也社長 「1000トン、2000トン規模の仕入れということで入札に参加しようと思った時に急きょ中止になった。戸惑っているのが現状」

 仕入れ済みの備蓄米について店頭価格2000円ほどで売ることはできるのでしょうか。

卸売業者 食協 武信和也社長 「3回目の入札で落札された備蓄米は(60キロあたり)2万1000円ほどなので、店頭で2000円で出すことはできない」

 政府備蓄米の随意契約について、小泉農水大臣は申し込みがあった業者の数を明かしました。

小泉進次郎農水大臣 「5月27日の午前9時時点で計19社、数量は9万824トン」

 随意契約で放出される備蓄米は30万トン。そのうちの約9万トンについて「小売業者」や「外食チェーン」など合わせて19社から申し込みがありました。

小泉進次郎農水大臣 「精米については今回、手を挙げた業者はその精米も含めためどを付けて、そのうえで6月の上旬にも出せるという事業者もいるので」

 今回の随意契約からは契約を結んだ小売業者が玄米を精米して販売する流れです。

 これまでの競争入札では、JAなどの集荷業者が倉庫で引き渡された備蓄米を自前で運搬していました。今回の放出では、小売業者などが指定した場所まで農水省が経費を負担して備蓄米を運びます。

 随意契約の申し込みがあった19社のうち1万トン以上の申し入れがあったのは5社です。

 現状で最も多い1万5000トンの申し入れをしたのが、大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営する会社です。26日、随意契約の業者説明会に参加した後、自社で精米機能を持っていないことを明かしていました。

「ドン・キホーテ」運営会社 PPIH 初山俊也常務執行役員 「袋の確保、精米所の確保。これが一番のボトルネック。政府は『なるだけクイックに』『6月上旬に』という言葉もあったが、そこを加味すると本当に時間がなくて、コメの袋、精米所を押さえることができるのかがポイント」

 鍵を握るのは「精米所」の確保。随意契約から外された卸売業者には大手量販店から精米依頼の問い合わせが相次いでいました。

■“対象外”卸業者に依頼なぜ?

卸売業者 食協 武信和也社長 「大手量販店から『精米ができるか』と問い合わせがある」

 大手量販店から卸売業者への精米依頼、その訳は…。

卸売業者 食協 武信和也社長 「大手の量販店、スーパーで精米工場を持っているのは一部。全国で早く店頭に並べるというと、全国の各卸の精米機を使って市場に流していかないと、なかなか進まないのでは」

 随意契約の申し込みをした業者が精米工場を持たない場合は、卸売業者などに精米を委託することになります。

卸売業者 食協 武信和也社長 「『精米をしてほしい』という量販店、スーパーの意向があれば積極的にスピーディーに取り組んで、一日でも早く6月上旬に店頭に並べられるよう協力したいと思っている」

 ただ、「随意契約での備蓄米が届く地域は限定される」とコメの流通に詳しい専門家は警鐘を鳴らしています。

宇都宮大学 農学部 松平尚也助教 「これまで備蓄米が出回らなかった中小の小売店と米店に、この状況だと回らないので流通格差、売り上げの格差の問題が起こる。(随意契約の備蓄米は)全体に出回る訳ではないので、地域的に大手小売店がない所は(価格が)下がりようがない。今回、非常に限られた対象者に絞って放出しているので、その点も問題」

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