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2025/5/18(日) 23:30

止まらぬコメ高騰に新技術で挑む農家 高コスパ米や一度で二度おいしい新たな二期作も

  • #社会

高止まりが続いているコメの価格。何故下がらないのか、そして、どうすれば安定的なコメの供給に繋がるのか…新しい取り組みを実践している農家の方に話を聞きました。

■「コメ離れ進む」与党も危機感

(江藤拓 農林水産大臣)「ずいぶんご批判もいただいておりますが、コメの議論を大臣室でしない日はありません。」 高値が続くコメ。最新の販売価格は5kg当たり4214円と前の週に比べ、わずかに下がったものの、去年に比べ2倍以上と高値が続いています。自民党内からはこんな声が… (自民党 小野寺五典 政調会長)「この高い米価は農家も望んでいないということなんです。このまま行くとコメ離れがどんどん進みます。」 政府はさらなる備蓄米の放出でコメの価格を抑えたい考えです。 (江藤拓 農林水産大臣)「5月は10万t、6月10万t、7月10万tといたします」 Q.価格の安定は、どの程度の期間から出てくる? 「それは申し訳ないのですが、断定的に申し上げることはできません。」

■“水無し田んぼ” 安くコメ量産

コメの高値解消が見通せない中、コメ作りの現場を取材すると、安いコメを作るために最新技術などを使った新たな農業を模索している姿がありました。鳥取市でコメ作りをしている徳本修一さん。実はここ、水を張らない田んぼです。 (農業法人トゥリーアンドノーフ 徳本修一代表(49))「2日前にコメ(の種)をまいた圃場(田んぼ)です。すでにコメの種がまかれていて、これでコメができると。」 「これ種です。乾田直播で、うちは乾いた状態にいきなり種をダッーとまいていくので、時短にもなる。」 乾田直播とは、乾いた田んぼに直接、種もみをまく栽培方法です。通常のコメ作りで、大きな負担となっていた苗づくりや田植え、水の管理などが必要なく、大幅に“コスト削減”ができると言います。日本のコメ農家の約95%が作付面積10ha未満。対して徳本さんの農業法人は、約100ha、東京ドーム21個分の農地をわずか3人で運営しています。 (徳本修一代表)「結構、直播ってこの後の雑草管理とか、機械が大きいのが必要だったり、無理に小規模農家さんがやる必要がない。僕らみたいに広い面積を効率よくこなすためには、こういう技術も取り入れていかないと回せないということなんで。」 さらに“省力化”するための最新テクノロジーも積極的に導入しています。 (徳本修一代表)「圃場の衛星画像を、AIのアルゴリズムを掛け合わせて こういう“地力マップ”というのを出すんですよ。この色が濃い所がこれまで過去10年非常に生育が良かったと。薄い所になるほど生育がイマイチだったということで、その“地力マップ”に合わせて、必要なところだけに必要な肥料を適切に落とせるという技術なんですよね。」 その肥料をまくのも…農業用の大型ドローンです。必要な場所に、必要な分だけ、自動で散布することができるため、肥料を1割減らせる上、収穫量を1割増やせると言います。さらにトラクターもGPSによる自動運転が可能で、田んぼ一枚あたりの労働時間は、通常25~30時間のところ、約5時間まで短縮。徹底的な“コスト削減”と“省力化”で、安いコメを作り、かつ生産者ももうかる農業を実践しています。 (徳本修一代表)「僕ら玄米の生産原価で百数十円ぐらいまで下げられてきているので、1kg。でもそこから流通やお店のコストもありますけど、正直な話(5kg)2000円で売られていても僕ら利益が出るんですけど、やっぱり儲かる農業というのがまず実現できないと、高い給料を払えて福利厚生もちゃんといいものが提供できるというのは重要ですよね。」

■後継者不足に農家が“出張”

茨城県・水戸市の農家でも、従来の農法にとらわれない、新たな米作りに挑んでいます。農園を営む照沼洋平さん。 (照沼農園 照沼洋平代表(44))「これは“再生二期作”の圃場(田んぼ)になります。特徴としては田植え1回で稲刈りを2回やるという方法になります。」 “再生二期作”とは、一度収穫した稲をそのまま育て、田植えをせずに、もう一度収穫を行う栽培方法です。実際の様子を見てみると、1度目の稲刈りの数カ月後…切り株から再び生長が始まり、稲穂が実っていくのが分かります。再生二期作がうまくいけば、通常の1.5倍の収穫量が見込めるといいます。 (照沼洋平代表)「(農業の)人手不足に対して、限られた面積しかできない中で、収益が上がるということで本当に有効な活用なんじゃないかなと。」 一般的な田んぼの10アール当たりの収穫量は平均540kgほどですが、照沼さんは、去年約800kg収穫できたといいます。 (照沼洋平代表)「2回目刈り取ったものは本当に品質的に遜色はないんですけども、割り切った価格で低価格帯で出せるというのが特徴になる。」 さらにこんな取り組みも… (照沼洋平代表)「こんな感じで。去年の稲刈りの様子になります。石垣島で去年から1.4haくらいで二期作という、田植え2回の、稲刈り2回という方法で行っています。」 水戸から遠く離れた、沖縄・石垣島でも、去年から、二期作でのコメ作りを始めました。 (照沼洋平代表)「こんなにいいお米ができるなんてちょっとびっくりしました。魅力として、水戸の農繁期ではないときに収穫ができる。石垣は年に2回なので年に4回稲刈りをします。出張型農業みたいな感じで」 主に水戸では8月と11月。石垣島では6月と10月と収穫時期が重ならないため、出張することで、年に4回もの収穫が可能になるといいます。 (照沼洋平代表)「収量も増えるということと、その月にありえない新米が水戸に入ってくるとか、面白く販売させてもらっています。実質、沖縄・石垣島というのも後継者があまりいないという中で、時期をずらせるのであれば、どんどん僕たちも前に行って、耕作放棄地を減らす努力も必要なのかなと思っています。」

5月18日『有働Times』より

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