アメリカの関税政策で経済の先行きが不透明になるなか、日本銀行は利上げを見送りました。植田総裁は「物価が伸び悩んでいる時に無理に利上げすることは考えていない」と述べました。
日銀は2日間の金融政策決定会合で、政策金利を0.5%程度に据え置きました。
また、最新の「経済・物価情勢の展望」で、2025年度と2026年度における実質GDP(国内総生産)、生鮮食品を除く消費者物価の上昇率の見通しをそれぞれ引き下げました。
日銀は経済と物価が見通しに沿って上昇すれば利上げする方針ですが、アメリカの関税政策により、見通し達成の時期が遅くなる可能性があるとしています。
植田総裁は焦点となっている利上げの時期について。
日本銀行 植田和男総裁 「基調的物価上昇率が伸び悩んでいる時に無理に利上げすることは考えていません」
一方で、植田総裁は「必ずしも遅れるわけではない」とも述べ、予断を持たずに利上げの時期を判断していくとしました。
こうした発言などを受け、市場では利上げが想定より遅れるという見方が広がり、円相場は1日朝の1ドル=143円付近から一時、144円台後半まで円安が加速しました。