保育士“遺棄”で男逮捕　接点は？“格闘技のチケット”「やっていません」知人に否定

　遺体で見つかった保育士の女性と逮捕された14歳年下の男。「格闘技のチケットを渡すために会った」。接点が見えてきました。

■接点は？“格闘技のチケット”

佐藤容疑者の中学時代を知る人 「モテていたんじゃないか。運動もできるし、ルックスも悪くない」

　上着を深くかぶり、その表情は見て取れません。死体遺棄の容疑で逮捕・送検された佐藤蓮真容疑者（21）。

　佐藤容疑者の自宅は閑静な住宅街にあり、近隣の方によりますと、4、5年ほど前に引っ越してきたばかりで、あまり近所付き合いがなかったということです。

　14歳年の離れた2人の接点が分かってきました。

佐藤容疑者の知人 「『やったのか、やってないのか』と聞いたら、あいつ（佐藤容疑者）は『やっていません』って言ったんだ」

　宮城県岩沼市の海岸。ここで女性の遺体が見つかったのは今月13日のこと。

遺体を目撃した人 「あの辺に女性の遺体が仰向けになっていた。1メートル半くらいのところに血痕がいっぱい落ちていた」

　遺体は仙台市の保育士・行仕由佳さん（35）と判明。死因は刃物のようなもので刺されたことによる失血死でした。

行仕さんが勤めていた保育園の保護者 「『ぎょうちゃん』て呼んでいる。優しい素敵な先生でした。娘の様子をよく見てくれて迎えに行った時『きょう一日こんなことしてたよ』と教えてくれた」

行仕さんの職場付近の人 「子ども連れていたのは見たことがある。家近所だから」

　事件が大きく動いたのは26日。死体遺棄の疑いで逮捕されたのは佐藤蓮真容疑者。

　中学時代は陸上競技に打ち込んでいたそうです。

佐藤容疑者の中学時代を知る人 「大会で負けて泣くタイプ。熱い人だったので、運動神経はめちゃくちゃ良かった。相当、能力は高いはず」 「（Q.体つきは？）バキバキっていうんですかね、いい体していた。四種ってめっちゃきつい競技なので」

　現在は地元のキックボクシングジムに所属する選手で、プロになったばかりでした。

佐藤容疑者の中学時代を知る人 「彼が高校卒業後1、2年後の段階で『プロになる』みたいなことは言っていた。何回か試合もやっていた。人懐っこくはあった。仲良くしてくれていた。感情の起伏はけんか早い方ではあった。カッとするタイプではあった。部活のやつとけんかしているのはあった」

以前のバイト先の知人 「年上に好かれてるタイプ。人懐っこい。性格は普通にいい子だった」

　被害者の行仕さんは35歳の保育士。14歳年下の佐藤容疑者との接点が見えてきました。

佐藤容疑者の知人 「蓮真（容疑者）の同世代に共通の女性の知り合いがいて、その先輩という話だった。蓮真（容疑者）本人から『被害者（行仕さん）が試合を見に来ていた』と。ファンの一人だったんだろうと思っていた」

　佐藤容疑者の同世代に共通の女性の知り合いがいて、被害者の行仕さんは、その先輩にあたるということです。格闘技を通じて知り合い、行仕さんは佐藤容疑者の試合も観戦に訪れたことがあったそうです。

　警察は2人は親しい関係だったとみて捜査しています。

■「やっていません」知人に否定

　さらに知人は、事件当日にも行仕さんと会っていたという話を聞いていました。

　今月12日午後7時ごろ、「職場に忘れ物を取りに行く」と子どもに言い残し、行方が分からなくなっていた行仕さん。

　佐藤容疑者が遺体を遺棄したとみられるのが、その日の夜。その日に被害者と電話でやり取りをしていました。

　遺体が見つかったのがその翌日。佐藤容疑者が知人にこう話していました。

佐藤容疑者の知人 「『（被害者は）前にも試合を見に来てくれた人で、前日（事件当日）はチケットを届けに行った』と」

　事件当日「チケットを渡すために会っていた」と話していた佐藤容疑者。知人は事件が発覚した後も容疑者と事件について話をしていました。

佐藤容疑者の知人 「ニュースで女性が亡くなったことを知ったから『亡くなったらしいな、見たか？』と聞いたら、（容疑者は）『えっ』という反応だった」

　その後、20日に試合を控えていた佐藤容疑者。ただ、前日軽量も試合当日も姿を見せませんでした。知人はその夜にも会って話をしていました。

佐藤容疑者の知人 「『やったのか、やってないのか？』と聞いたら、あいつ（容疑者）は『やっていません』って言ったんだ。『だったら堂々としろ』と言って帰った。その時は嘘を言ってないと思った」

　その話をした6日後、佐藤容疑者は逮捕されることになります。

■“青い車”防カメに2人の姿

　なぜ、逮捕に至ったのか。事件当日の2人の足取りが分かってきました。

　新たにANNが入手した写真。事件後、運ばれる水色の車。佐藤容疑者の車です。この車について分かったことがあります。

　仙台市内に住んでいた行仕さん。佐藤容疑者は、そこから15キロほど離れた岩沼市内に住んでいました。遺体が遺棄されていた海岸は佐藤容疑者の自宅から9キロほど。車で20分ほど離れた場所にあります。

　捜査関係者によりますと、防犯カメラには佐藤容疑者の車に乗る行仕さんの姿が映っていたということです。さらに、佐藤容疑者が車で1人、海岸線を走り去る様子も確認されたということです。

元埼玉県警刑事　佐々木成三氏 「計画的（犯行）だと思う。殺害現場に刃物を持っていっていることを考えると計画的な犯行であると言わざるを得ない。計画自体はかなり稚拙だったと感じる。（遺体は）全く隠されていない。現にすぐに見つかっている。殺害するのは計画的だったが、その後のことは全く考えていない」

　警察は行仕さんへの殺人容疑も視野に捜査を進めています。