長崎原爆で被爆した親を持つ被爆2世らが被爆者と同じ援護を受けられないのは憲法違反だとして国に損害賠償を求めた訴訟で最高裁判所は上告を退ける決定をし、「被爆2世」の原告らの敗訴が確定しました。
原告の被爆2世ら28人は、被爆者の医療費の自己負担をなくす法律が適用されないのは憲法違反などとして、国に1人10万円の損害賠償を求めていました。
二審の福岡高裁は去年2月、「被爆2世については、原爆による放射線の遺伝的影響は証明されていない」「被爆者などと同じ援護をしないことは憲法に違反しない」として一審・長崎地裁判決を支持し、原告側の訴えを退けました。
原告側は上告しましたが、最高裁は22日付で訴えを退ける決定をし、被爆2世の原告らの敗訴が確定しました。
被爆2世を巡る訴訟で、判決が確定したのは初めてです。
判決を受け、崎山昇原告団長(66)が28日午後に会見を開きました。
全国被爆二世団体連絡協議会会長・崎山昇原告団長(66):
「私たちはあくまでも、国の被爆2世に対する援護についてのこれまでの国の態度を根本的に改めさせるために、そして、世代を超えた核による人類への重大な影響を明らかにし、最終的には核兵器の廃絶を実現するために、最後まで戦い続ける。(最高裁の決定は)実質的な理由をまったく述べていない不当な決定。被爆2世が置かれた状況にしっかり向き合って判断を示してほしかった」
原告・平野伸人さん(78):
「被爆者の高齢化もそうだけど被爆2世も高齢化しているんです。私は間もなく80歳。(最高裁の決定は)情けない」
原告は今週中に「声明文」を厚労省などに送付するとしています。