優勝から3日後、グラウンドには大会前と変わらない選手たちの姿がありました。2年連続の大舞台を決めたのは、ホームランなど華やさが光るスタイルではなく、塁に出れば確実に送りバント。ランナーを進め、1本で返す。そんな基本に忠実で、堅実な野球でした。
長崎大会全5試合で、犠打は22。決勝では、送りバントを7回成功させました。
【稙田龍生監督】「『バントや守備ができないと試合に出られんぞ』と言ってるので。4番にもバントさせましたし」
バッテリーを中心とした堅い守りも、強さの一つです。決勝で2安打完封の圧倒的なピッチングを見せた、エース・村田。右のサイドスローで抜群の制球力を誇る2年生の奥田。2人のピッチャーを中心に、チーム防御率は0.78。失点は、5試合でわずか5点に抑えました。
【創成館2年奥田晴也投手】サイドスローについてー「横から出ることで先発の村田昊徽さんのオーバースーローから視点が変えられる。バッターのタイミングを外せる。気迫あふれるようなピッチングしたい」
去年の夏を制しながらも、新チームになって秋の県大会は初戦敗退。どん底から、基礎練習を積み重ね、夏の栄冠は譲りませんでした。
【稙田龍生監督】「目標達成したかもしれない長崎大会優勝して。それで終わりじゃないよ。今からがスタートだろ。『甲子園では恥をかかないように』言ってるけど、恥かくぞ、甲子園で」
選手たちのほとんどは、校内の寮で生活を共にしています。グラウンドを離れれば、ごく普通の高校生の表情に。
【創成館3年柴田琉誠選手】「きょう牛丼か。甲子園でも一球牛丼!」
チーム一の高身長、190cmの上田選手。
【創成館3年上田優吾選手】Q.たくさん食べるの?「普通です」
と言いながらも、大盛りの牛丼をおかわりです。
そして、寮の中にもお邪魔しました。基本的に各学年1人ずつの3人一部屋で生活しています。まずは、向段キャプテンの部屋へ。去年と今年の長崎大会の優勝メダルが並べて飾られています。他に、歴代のキャプテンから引き継いだユニホームも。
【創成館3年向段泰一郎主将】「自分はこの人形が好きなんで、これで寝たりします」
キャプテンに他の部屋を案内してもらいました。チームのムードメーカー、森友選手の部屋です。ベッドの横には、グッズがずらり。韓国のガールズグループ「New Jeans」のヘリンさんが推しのようです。
「ライブ行こうと思ったんですけど寮で日にちとか合わない引退したら行こうかな」
ヘリンさんへ届けと、メッセージです。
「甲子園でたくさんヒット打って、良いところをヘリンちゃんに見てもらえるように頑張りたい」
続いては、生徒会長選挙に立候補したこともある選手の部屋。背番号19の大野永遠投手。歌が得意な大野選手に甲子園へ向けて、ファイトソングを歌ってもらいました。
出発前日、学校の中庭で他の部活の生徒や保護者に見守られながらの壮行会。自信に満ちた顔で、目標を語りました。
【創成館3年向段泰一郎主将】「自分たちの目標である去年のベスト16を超え、一戦でも多く戦い抜けるように頑張りたい。そして、長崎県の代表として恥のないように全力プレーで一戦必勝でチャレンジャー精神を持って頑張っていきます。応援よろしくお願いします」
そして、おととい(3日)、甲子園に向け出発です。夢舞台へ、気持ちはワクワクです。
【創成館3年小森山仁選手】「やっと甲子園でプレーできるんだな。改めて実感湧くようになりました」
さぁ、バスに乗り込んで、憧れの大舞台で、巻き起こせ創成館旋風!