建物の耐震化の必要性などを理由に7月末で閉店するとしていた「佐世保玉屋」の田中丸社長が16日午後、会見を開き、売り場面積を縮小し、営業を継続すると発表しました。
佐世保玉屋・田中丸弘子社長:
「7月以降も現在の佐世保玉屋の場所で引き続き営業を続けてまいります」
佐世保玉屋は今年2月29日付の取引先に向けた書面で「建物の老朽化に伴う耐震化の必要性、中心商店街活性化の要請を踏まえ、一度閉店した上で新たな佐世保玉屋へ生まれ変わるべく、今年7月31日をもって閉店する」としていました。
16日の会見で「閉店も視野に入れた取引先との協議などの結果、売り場面積を縮小し、今後も営業を継続する」と発表しました。
建物は地上9階建てで延べ床面積は約2万9000平方メートル。現在は、1階と2階の約5600平方メートルで営業していました。1964年の建設から60年が経ち、佐世保市から耐震改修促進法に基づく耐震診断の結果報告を求める命令を複数回にわたり受けています。
4度目の命令の期限は、5月末でしたが、期限までに市に報告がなく、6月1日付で5度目の命令が出されました。命令の対象となるのは百貨店の場合、3階以上かつ延べ床面積が5000平方メートル以上の建物で、「今後、早い段階で売り場面積を5000平方メートル以下に縮小する」としています。
佐世保玉屋・田中丸弘子社長:
「いろいろとご心配をお掛けしたと思いますが、これからも皆さんのお役に立てるような佐世保玉屋としてしっかり営業をさせていただきたい」
佐世保玉屋一帯では2021年に「栄・湊地区市街地再開発準備組合」が設立され、田中丸社長が理事長を務めています。今後、現在の建物を解体し、2028年度内の開業を目指す新たな商業施設の開発を進めるとしています。