佐世保市吉井町にある国指定史跡「福井洞窟」が特に学術的価値が高い「特別史跡」に指定される見通しとなりました。県内での「特別史跡」指定は3件目、24年ぶりです。
佐世保市吉井町の「福井洞窟」は、佐世保市北部の福井川の浸食によって形成された砂岩洞窟です。1960年代から発掘調査が行われ、約1万9000年から1万年前の石器や土器などが出土しました。旧石器時代から縄文時代への時代の変化による道具の変遷や、縄文土器の出現過程が初めて明らかになった遺跡とされています。
1978年に国の史跡に指定されていましたが、24日、国の文化審議会は史跡の中でも特に学術的価値が高い「特別史跡」に指定するよう、文部科学大臣に答申しました。官報公示により、近く正式に指定される見込みです。
県内には国指定史跡が32件あり、そのうち、特別史跡に指定されるのは対馬市の「金田城跡」、壱岐市の「原の辻遺跡」に続き3件目で、24年ぶりです。
国内では「特別史跡」に63件が指定されていますが、旧石器時代を含む遺跡の指定は「福井洞窟」が初めてです。