海上自衛隊大村航空基地のヘリコプターを含む2機が20日、伊豆諸島沖での訓練中に墜落し1人が死亡、7人が行方不明となっています。
防衛省は、機体のトラブルではなく、人為的要因による空中衝突との見方を強めています。
木原稔防衛大臣:
「4月20日土曜日、22時38分ごろ海上自衛隊のSH-60Kの2機が夜間対潜戦の訓練中、伊豆諸島鳥島東の洋上において通信途絶いたしました。当該2機は墜落したものと考えられます。1機は大村航空基地、もう1機は小松島航空基地(徳島)。いずれも第22航空群でございます」
事故は20日夜、伊豆諸島鳥島の東約270キロの海上で、対潜水艦戦の訓練をしていた大村航空基地と小松島航空基地(徳島)所属の哨戒ヘリコプター(SH‐60K)2機が墜落したものです。水深は約5500メートル。周辺ではヘリの回転翼のブレード(羽根)や機体の一部、ヘルメット数個などが発見されました。
木原稔防衛大臣:
「収容した隊員1名についてでありますが、死亡を確認しました」
大村航空基地所属のヘリの機長は松田拓也三等海佐、小松島のヘリの機長は板村一輝三等海佐と発表されました。
木原防衛大臣:
「現時点において飛行中に機体に異常があったことを示すようなデータは確認されておりません」
木原防衛大臣は22日朝、回収した2個のフライトレコーダー(飛行記録装置)を解析したところ、機体に異常は確認されなかったと明らかにしました。行方不明者7人については自衛隊と海上保安庁が引き続き捜索しています。機体についても海上自衛隊の海洋観測艦が位置の特定を急いでいます。
木原大臣は、自衛隊の航空機に対して、飛行前後の点検を入念に行うことなど安全管理を徹底するよう指示を出しました。今後、事故調査委員会で原因を究明し、必要な対策を取るとしています。