諫早湾干拓地の営農者らが国や県などに損害賠償や開門を求めた裁判の控訴審で、福岡高裁は一審の長崎地裁判決を大筋で支持し、営農者らの訴えを退けました。
裁判は農業法人3社と個人1人が、潮受け堤防排水門の閉め切りによって野鳥による食害や冷害、熱害などが起き、総額7億7000万円余りの被害を受けたとして、国と県、県農業振興公社に合わせて6300万円の損害賠償と開門を求めていたものです。
福岡高裁は、「堤防の締め切りによって食害や冷害・熱害が生じるという因果関係が認められない」とし、原告の損害賠償請求と開門請求を棄却しました。
また一審長崎地裁が「ロープなどを張って、営農を妨害した」として、公社に対し命じていた個人1人への49万6916円の損害賠償は「妨害ではない」として賠償を取り消しました。
原告・元営農者・荒木隆太郎さん(75):
「法に訴えても、手が届かないというか…わびしさを感じてるだけですかね、今」原告側は上告について「検討する」としています。