来年の被爆80周年に向け、被爆者80人の声を動画で世界に向けて発信するプロジェクトが始まりました。
長崎原爆被爆者協議会が立ち上げた「被爆80年プロジェクト」。動画は若い世代にも見てもらえるよう、80人の被爆者の証言をそれぞれ20秒から30秒にまとめ、インスタグラムやティックトックなどのSNSにアップし、世界に核兵器の廃絶を訴えます。29日は被爆者3人の声を収録しました。
被爆者は「生死をさまようような病気をした」ことや「不条理な差別を受けた」こと、「家族を失い、苦しい生活を送った」ことなど戦争と原爆の恐ろしさを涙ながらに訴えました。
2歳の時爆心地から1.8キロ北東部郷(現在の住吉町)で被爆・川口重美さん(80):
「私、姉妹2人は父の顔も知らない。だから原爆とか戦争は絶対私はしてもらいたくないです」
11歳の時爆心地から1.3キロの岩屋山中腹で被爆・松尾幸子さん(89):
「自分が好きなことをしていかれるような世の中にするためには絶対戦争は駄目。ロシアが核で脅している。あれは間違っている。戦争というのは人を殺すことです。そこを分かってほしい」
14歳の時爆心地から2.5キロの旭町三菱電機長崎製作所で被爆・松村忍さん(93):
「原爆で長崎は灰の街になって、あの時は本当にびっくりした。もう戦争は大嫌いって」
これまでに8人の被爆者の声を集めていて、被災協は動画の編集や英訳などの協力者を求めています。