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2023/9/27(水) 16:12

「この案件に終止符」比田勝対馬市長”核のごみ”文献調査受け入れに「反対」表明 賛成派は住民投票訴え

  • #社会
  • #対馬市
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原発から出る高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」の最終処分場をめぐり、対馬市の比田勝尚喜市長は建設地の選定に必要な「文献調査」を受け入れない考えを示しました。

最終日を迎えた対馬市議会9月定例会。

比田勝市長:
「本定例会で請願採択された特定放射性廃棄物の最終処分にかかる受け入れの促進について、市長としての見解を報告させていただきます」

いわゆる「核のごみ」の最終処分場の建設地選定には、まず過去の地震や活断層の有無などを調べる「文献調査」が必要で、受け入れた自治体には国から最大20億円が交付されます。
対馬市議会は9月12日、経済効果などを期待し、建設業4団体が出した調査の促進を求める請願を賛成10、反対8の僅差の賛成多数で採択。最終的な決定権を握る比田勝市長の判断が注目されていました。

比田勝市長:
「私の見解としては議会の請願採択を重く受け止めながらも市民、対馬市の将来に向けて熟慮した結果、特定放射性廃棄物文献調査を『受け入れない』という判断に至りました。
まず一点目、市民の合意形成が不十分であること。文献調査等の受け入れの是非についてそれぞれの主張による市民の分断が起こっていることは、まだ市民の合意形成が十分でないと判断しています。
二点目、風評被害への懸念です。先行自治体では風評被害が発生していないと聞き及んでいますが、関係者や市役所に寄せられる意見等を総合的に勘案すると、観光業・水産業などへの風評被害が少なからず発生すると考えられます。特に観光業については韓国人観光客の減少など大きな影響を受ける恐れもあると判断しました」

市長は、
①市民の合意形成が不十分であること、
②風評被害への懸念、
③文献調査だけ受け入れその後は辞退するという考えに至らなかったこと、
④市民に理解を求める計画や条件が揃っていなかったこと、
⑤想定外の要因による安全性・危険性が排除できなかったこと、
5つを反対の理由に上げました。

そして、この問題に”終止符”を打つ考えを示しました。

比田勝市長:
「この見解をもってこの案件に終止符を打ち、今後市民が一体となって対馬市を支えていけるような施策を講じていかなければならないと考えています」

また比田勝市長は来年3月の任期満了に伴う市長選について出馬の意向を示しました。

比田勝市長:
「今一度対馬市の発展、地域活性化に尽力したいとの覚悟から立候補することに至りました」

議会の閉会直後、傍聴席の反対派住民から拍手が沸きました。

【反対派】核のごみと対馬を考える会・上原正行代表:
「想定内だけど、我々市民運動の成果が相当あったと思う。市長自体『終止符』と言われるが二元代表制だから。議会は採決しているわけだから、議会の芽は摘んだが根っこは残っている。その根っこをどうにかして残り任期2年間の中でその運動を展開していかないといけない。これで終わりではない」

一方、受け入れに賛成の議員は…。

【賛成派】入江有紀市議:
「どうして反対したのかなと。これからの対馬市が、何もないじゃないですか、企業誘致も何もなくて。どうしてこれを反対に持っていったのかなとそれが不思議でたまらない」
【賛成派】小宮教義市議:
「民主主義における議会の意思決定を無視したということは遺憾。住民投票してみないとわからない。結論はそこにある。かなりの人が賛成してくださるのではと思う。ただ反対の声は非常に声が高くなって大きく響くものなので危惧している」

この『住民投票』に対し反対派の市議は。

【反対派】脇本啓喜市議:
「住民投票は市民の分断をまた深めてしまう一面もある。だから私は住民投票までする必要はないと思う」

比田勝市長:
「私自身も10対8と僅差なので私の判断をする上でたいへん貴重な参考にさせていただいた」

午後、会見を開いた比田勝市長は議会での請願採択が僅差で賛成多数となったことは自身の判断に影響を与えたと話しました。
また、もっと早くに市長が判断をしていれば市民の分断を深めることにならなかったのではないかとの批判については。

比田勝市長:「あくまで議会の議論が決着したのち私としては判断させてもらいたいと話してきた。その中でももしかして議会の判断と私の判断は相違することもあり得ると言ってきた」

さらに被爆県であることも文献調査受け入れ反対の理由のひとつに挙げました。

比田勝市長:
「対馬も長崎県なので被爆県の一部、まして平成16年には非核平和都市宣言もしている。その中で最終処分場については、なかなか長崎県の県民としては受け入れがたい」

また自分としては27日の判断で終止符を打つ考えなので、来年3月の市長選ではこの問題を争点としない考えを示しました。

この判断を受けて大石知事は「今回の判断は様々な立場の意見を踏まえ、熟慮を重ねて行われたものと認識している。県としても対馬市の判断を尊重したい」とのコメントを発表しました。

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