夏の長崎大会2連覇中の創成館。100人を超える大所帯を束ねる下川輝主将は、身長160センチと小柄ながら春の九州大会ではセンバツ甲子園に出場したエナジック相手に、レフトオーバーを放ったパンチ力のあるバッターです。
下川選手の兄・優さんは創成館の2学年上で、おととし、夏の長崎大会の優勝に貢献。弟は兄の背中を追って創成館へー。その面もありながら、進学の決め手になったのは校長先生でした。
兄が高校2年、輝さんが初めて創成館の試合を見た3年前の夏のことでした。
輝主将の父・下川毅さん:「(夏の決勝で)海星に負けて。報告会のときに、校長先生が『暑かっただろ。みんなよく頑張ったね』と子どもたちにメッセージをくれていた。そのときに、「おれがこの校長先生を甲子園に連れて行ってやる」。この創成館を選ばせてもらった」
その校長先生というのが奥田学園の理事長も務める、奥田修史さん。中学3年だった輝さんは、校長先生の言葉を聞いて創成館への進学を決めました。その奥田校長、過去に出版した自伝タイトルが・・・「ヤンチャ校長」!
甲子園のアルプスでは、応援団の最前列に座って率いていました。型にはまらない規格外のスタイルの校長先生が最近始めたのが「TikTok」。生徒との学校内の楽しそうな様子がアップされています。
昼休みに校内を案内してもらうと、一般的に想像する生徒と校長先生の関係には遠い、自由でフランクな姿がありました。
「校長先生をまた夢舞台へ」と意気込む下川主将は、夏の大会が始まると、チームへあるルールを課すそうです。
下川輝主将:「決勝に行ってからしか『甲子園』という言葉は使わないように。一つひとつ勝ち上がっていかないと甲子園というのはないし、5回勝たないと全国はないので、一戦一戦というのをみんなに言ってます」
今年のチームは秋ベスト8、春・会長杯共に準優勝。優勝した過去2年と同じく県内の主要3大会では無冠。だからこそ夏だけは譲れません。
下川輝主将:「その一球に色んな人の気持ち乗ってると思うので、1プレー1プレー、気持ちを込めて感謝の気持ちを持って一戦一戦、戦い抜きたい」
奥田修史校長:「大変さがようやく成就するのがこの夏の大会じゃないかな。ぜひ自分たちの努力の結晶をビッグNスタジアムでの決勝戦で。いい試合をして見られたらな。頑張ってください」
創成館史上初、そして県内では2000年以来の夏3連覇へ!