対馬市の観音寺から盗まれて韓国に持ち込まれ、12日(月)、12年7カ月ぶりに寺に戻って来た仏像が、16日(金)から対馬博物館で特別公開されています。
ふっくらとした頬に、穏やかな目鼻だち。県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」です。16日から対馬博物館の特別展示室で一般公開が始まりました。
この仏像は、2012年10月、韓国人窃盗団に盗まれ、長きにわたる韓国・浮石寺との所有権を巡る法廷闘争を経て、今週月曜、12年7カ月ぶりに観音寺に戻りました。防犯上の理由から県と対馬市が運営する対馬博物館で保管します。
帰ってきた仏像を市民に見てもらおうと、16日から6月15日まで対馬市民は無料で観覧できます。
一番乗りの来場者・國分愛子さん(76):
「せっかくね、仏様が帰って来られるけん、こんな普段着で会いに行っていいかなとか思ってね、紋付でも着てこなきゃな、ちゅう感じはしながら、とりあえず(開館)時間になったので走って来たんです。優しいお顔やなと思いました」
観音寺檀家・村瀬辰馬総代長(70):
「この13年間は喧噪の中にあったんですが、この対馬博物館で落ち着かれましたかっていうような声掛けをさせていただきました」
仏像とあわせて、像内から発見された「結縁文(けちえんぶん)」と呼ばれる製作年や製作の経緯などを記した文書も公開されています。
対馬博物館によりますと、「観世音菩薩坐像」は、特別公開が終わったあと、約1カ月かけて虫がつかないようにする処理を施し、10月以降に平常展示する予定です。(平常展示は市民も有料)