三菱重工長崎造船所が建造した新型護衛艦「やはぎ」が21日、防衛省に引き渡されました。
護衛艦「やはぎ」は、基準排水量3900トン、全長133メートル、幅16.3メートル。「もがみ型」護衛艦の5番艦です。従来の護衛艦の「対潜戦」「対空戦」「対水上戦」などの機能に加え、海中に仕掛けられた「機雷」を処理する「対機雷戦」の機能も備えています。また、周囲360度をモニターで監視できる機能を加え、レーダーや武器を操作するシステムを統合するなどして乗員を従来の半数の90人にする省力化を図りました。
防衛省は12隻の「もがみ型」護衛艦の建造を進めていて、長崎造船所では、1番艦の「もがみ」、3番艦「のしろ」、4番艦「みくま」、5番艦「やはぎ」、6番艦「あがの」、7番艦「によど」、9番艦から12番艦の10隻の建造を請け負い、「やはぎ」を含め4隻を防衛省に引き渡しています。建造費は6番艦「あがの」と合わせて約943億円。去年12月に引き渡す予定でしたが、コロナ禍や半導体の納入の遅れなどの影響で延期されていました。
増田和夫防衛事務次官:
「我が国は今、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中にあります。四方を海に囲まれている我が国の防衛において、多様な任務の遂行を可能にする最新鋭護衛艦としてその能力を遺憾なく発揮していただきたいと思います」
「やはぎ」は「もがみ型」護衛艦として初めて京都の舞鶴基地に配備され、主に日本周辺の海域の防衛任務に当たります。