長崎市の手熊・柿泊地区に伝わる節分行事「モットモ」がコロナ禍を経て4年ぶりに復活しました。
長崎市手熊・柿泊地区の節分行事「モットモ」。年男と福娘、モットモ爺の3人一組で家々を訪ねます。手熊地区では節分の前の晩(2日)地域の人たちが5つの班に分かれ、町内の約100軒を回ります。年男は「鬼は外」と豆をまき、福娘は「福は内」、モットモ爺は「モットモ」と大声で叫んで床を激しく踏み鳴らしたります。子どもが泣けば泣くほど、福が舞い込むと言われています。9年前(2015年)、国の無形民俗文化財に選択されました。
「モットモ」という名前は「鬼は外」「福は内」が「ごもっとも」という意味に由来するといわれています。しかし子どもたちにとってはただただ「恐怖」。楽しいおうちに突然「ゲゲゲの鬼太郎」の世界から飛び出したようなモットモ爺に驚き、泣きだす子も…。
4月から小学1年生になる髙峯琥士郎くん(6)は、必死に抵抗しますが…。
髙峯琥士郎くん(6):
「言うこと聞きます。おりこうにします」
モットモに捕まった田﨑凛空(りく)くん。実はモットモ爺に扮した父・大地さんの息子です。
モットモ爺・田﨑大地さん(35):
「おりこうにする?本当?ご飯食べる?」
凛空くん、泣き疲れてしまいました。
一方で、モットモ爺の叫びが効かないことも…。
モットモ爺・田﨑大地さん:
「4年ぶりなのでだいぶ声も枯れてきた。もう子どもたちは、泣いて泣いて泣かしてって感じ」
今回、初めてモットモ爺になった、中山晋太郎さん(44)は、この地区・手熊小学校の先生。教え子と一緒に、家々を回りました。
モットモ爺・中山晋太郎さん(44):
「生きた学習が一緒にできたかな」
『節分にモットモ怖いモットモ爺』4年ぶりの伝統行事は地域に笑顔と元気をもたらし、そのつながりと絆を深めたようでした。
手熊町自治会・村上憲浩理事(61):
「手熊町が少子高齢化で子どもたちも少なくなってきて、地域の行事がだんだん無くなってきているので、このモットモは何とか守っていきたい」