上野敏子のあなたの町におじゃまします～佐世保市戸尾町周辺～　昭和レトロの町にニューオープンの人気パンケーキ店も

今回おじゃまするのは、させぼ四ヶ町商店街から国道を挟んだ向かい側、戸尾町（とのおちょう）周辺です。

 

あいにくの雨。上野さんは、先月、諫早市栄町周辺におじゃました時に購入した“晴雨兼用傘”を手に歩きます。

お肉屋さんやお花屋さんなど約30軒のお店が並ぶ戸尾市場です。

 

第二次世界大戦中に防空壕だった場所を、戦後そのまま使ったお店は、「とんねる横丁」と呼ばれ、佐世保市中心部の有名なスポットです。

「とんねる横丁」のひとつ「土井鮮魚店」におじゃましました。

土居鮮魚店は、土井澄人（すみと）さんが３代目です。

 

主に飲食店や病院、ホテル向けに、魚を仕入れています。

店内は、防空壕がそのまま使われています。棚を壁に埋め込むなど空間を有効活用していて、狭いながらも落ち着きを感じます。

店の最奥部は、事務所です。エアコンがなくても、涼しさを感じるのは深く掘られた防空壕跡だからです。

お隣の「四軒目食堂」に案内していただきました。

細長いお店の奥の小窓からは、防空壕として使われていた痕跡を見ることができます。

防空壕をふさいだ跡です。かつては、それぞれの防空壕の穴の奥がつながっていました。砂岩なので、手掘りでも掘りやすかったようです。

「とんねる横丁」は、戦後の食糧難を支えた食堂街の名残から市場になったと言われています。

全国的にも珍しい防空壕を利用した商店街ですが、土井さんは「当たり前の風景で、取材を受けると（元防空壕であることを）実感する」と話していました。

土井鮮魚店
住所　佐世保市戸尾町5-24

市場の北側に進んでいくとおしゃれで新しそうな外観のお店が。

入ってお話を聞くと豆乳と米粉を使ったグルテンフリーのパンケーキのお店でした。

pancake & cafe macherie（マシェリ）は、営業を始めて約9年。戸尾市場には、2023年に移転してきました。

県外からもお客さんが訪れる人気のパンケーキ屋さんです。インスタグラムのフォロワーは１万人以上。取材中もたくさんのお客さんが来ていました。

店主の岩下さんのおすすめは、「有機カカオの自家製チョコレートパンケーキ（1,680円）」。背が高く、金粉？がのっています。見た目だけで、わくわくします。

有機カカオマス、カカオバター、きび糖だけで作ったチョコレートです。

小麦のアレルギーの人が少なくないことから米粉を使うことに。安心して食べてもらえるものにとの思いが込められています。

すべてのドリンクが、パンケーキとセットで楽しめます。人気の「佐世保ブルー（セット350円 単品500円）」は、佐世保の世知原茶を使ったブレンドティーです。バタフライピーの紫色とペパーミントの清涼感。見た目と飲み心地で、涼しさを感じます。

 季節ごとに限定メニューも出していて、8月15日からは、「白桃とシャインマスカットのブリュレパンケーキ（1,890円）も登場しています。

「戸尾市場は、人情味豊かで人のつながりがある」と話す岩下さん。最近は、スイーツの店も増え始めていて、楽しみだということです。

pancake & cafe macherie
住所　佐世保市下京町11-1
営業　11：30～16：30（L.O. 16：00）
休み　水曜・木曜
インスタグラム　macherie_1129

「お花のはしぐち」は戸尾市場で創業５０年以上の老舗。店主は２代目です。

取材の日は、お盆前ということで、トルコキキョウやリンドウなど多くの花が並んでいました。

 珍しい八重のユリも。

元気な看板娘の堺ゆいさん。店主の親戚です。

市場の上は、旧戸尾小学校。ゆいさんは、学校が終わると市場に遊びに行き、お盆や年末には店を手伝っていたそうです。

伺ったとき 店にいたのは、二代目（四女）の西迫まゆみさん。お店は長女・三女・四女の３人で切り盛りしています。

お客さんに喜んでもらいたいとたくさんの種類の花を並べているそうです。

仕入れ担当の三女の橋口あけみさんは、朝4～5時起きで市場に行くそうです。

市場に昔の活気を取り戻したいとがんばるお店で、上野さんも元気をいただきました。

お花のはしぐち
住所　佐世保市松川町1-1
営業　8：30～19：30