壱岐沖で医療搬送用のへリが不時着水し、対馬市の患者ら3人が死亡した事故で、10日、機体が陸揚げされ、海上保安部の実況見分が行われました。
国の運輸安全委員会の航空事故調査官への取材でヘリは回転しながら接水したことが分かりました。
運輸安全委員会事務局・奥山克也航空事故調査官:
「機体の損傷状況としてはメインローターがすべて折損しています。根元の方まで折損していますので回転しながら接水したというのが分かりました」
事故は6日午後、「エス・ジー・シー佐賀航空」が運航するメディカルヘリが対馬市の患者ら6人を乗せて、対馬空港から福岡和白病院に飛行中、壱岐市の沖に不時着水し、86歳の女性患者と付き添いの68歳の息子、34歳の男性医師の3人が死亡したものです。
渡邊晃佑記者:
「午前8時半前です。船から引き揚げられた機体がゆっくりと地上に降ろされました」
現在、機長が手動でフロートを出して、不時着せざるを得なかった可能性があることや、緊急時の異常を知らせるヘリからの信号を管制塔や海上保安庁が受信した形跡がないことがわかっています。
調査官はあす、回収したエンジンの記録装置や警報装置などを東京に持ち帰り、データの解析を行うということです。