岸田総理大臣は9月の自民党総裁選に出馬しないと表明しました。長崎県内からも様々な声が聞かれました。
岸田総理:
「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くことであります」
9月の自民党総裁選に出馬しないことを表明した岸田総理。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件などで支持率は低迷、9月の総裁選後、岸田総理は退任します。突然の不出馬表明に県内の反応は?
90代女性:
「ちょうど辞め時だったんじゃないです?(総理として)あんまり評価しないですね」
男性:
「首相は誰がやってもそこまで変わらない。でもそれなりに岸田さんはちゃんとやっていたのかなと思っていたので残念」
40代女性:
「あんまり恩恵があったようには感じない。良かった方も悪かった方もいまいち出てこない。強烈なリーダーシップがあったようには感じない」
女性:
「国民の税金を扱っていると思うので、そういうところはしっかりクリアにしていただきたいと思う。少し裏切られているとか感じるのでもっとクリアになれば良いなと思う」
高校生:
「安倍元総理のイメージが強すぎて岸田さんのイメージが薄い。真面目だけじゃなく明るい感じの人が(次期総裁に)なってほしい」
岸田総理は9日、平和祈念式典への参列のため長崎を訪れ、初めて被爆体験者と面会。その場で武見厚労大臣に対して、合理的に解決できるよう具体策の調整を指示したばかりでした。面会した岩永千代子さんは不安を口にしました。
第2次全国被爆体験者協議会・岩永千代子代表(88):
「あれだけ(岸田総理は)言ってくださったらね、やっぱり不安ですよね。果たしてそれをそのまま継承されるのかどうか。原爆のことあまり知らない人が(首相に)なると、どういう対応をされるんだろうか、不安です。(岸田総理の)態度は決して覆すことはないだろうという希望はある。ただ次の首相が果たしてそれをどういう風に実行するかという懸念はある」
面会の場に同席し岸田総理に被爆体験者への救済を迫った支援者の平野伸人さん。岸田総理は「一生懸命やる」と応じていました。
被爆体験者の支援者・平野伸人さん:
「(被爆)体験者問題の解決に結びつくんじゃないかなと思って期待をしていたら(総裁選に)出ないというからびっくりしてね。困る。総理大臣という立場の人が言ったことだから、次の総理大臣になる人もちゃんと引き継がなきゃならんよね、我々も梯子を外されるようなことされたくないもんねいくらなんでもね」
県選出で岸田派の自民党国会議員は理解を示しました。
自民党長崎県連の会長で古賀友一郎参院議員(56)のコメント
「熟慮の末のご判断と受け止めている。政治とカネの問題に対する引責とのことだが、政治の信頼回復に向け国民のための政策を一つ一つ積み上げてまいりたい」
山本啓介参院議員(49)のコメント
「全体のことを考えて、総裁選で身を引くという分かりやすい責任を示された。憲法改正や政治改革など総理が示された方向性を大切にしたい」
金子容三衆院議員(41)のコメント
「事前に知らされておらずとても驚いている。自民党を変えるために自分が辞めるという総理の英断を尊重したい」
一方、野党側からは批判の声があがりました。
立憲民主党長崎県連・山田朋子代表:
「おそらく自民党の中で『次の選挙を岸田さんでは戦えない』という結論に至ってこのようなことになったと思っておりますが、あす終戦記念日を迎えるタイミングで、時期として適切だったのかどうかが思うところはあります。“政治と金の問題”一連のことに関しては、(岸田総理)自身も含め、関わった方々に対しての処分というのは非常に軽かった。国民感情としては理解しがたい内容ではなかったかなと思っています」
そのうえで「次期衆院選は政権交代につながる選挙にしたい」と述べました。