谷川弥一前衆議院議員の辞職に伴い4月に行われる衆議院長崎3区の補欠選挙で、日本維新の会から平戸市の学習塾経営、井上翔一朗氏(40)が出馬を表明しました。選挙戦となる見込みの中、自民党では調整が難航しています。
日本維新の会・新人・学習塾経営・井上翔一朗氏(40):
「お金にまつわる問題で政治不信が極まっている。日本維新の会という選択肢を有権者の皆様にお示ししたいと今回立候補した」
福岡市出身の井上氏は平戸市で学習塾を経営しています。党内では1月末、企業・団体による献金や政治資金パーティー券の購入を禁止していて、党の改革姿勢をアピールし、地域間の学力格差の解消を進めたいとしています。
衆院長崎3区補選は、自民党安倍派の政治資金パーティー裏金事件を巡り、谷川氏(82)が議員辞職したことによるもので、補選には、立憲民主党の現職で、比例九州の山田勝彦衆院議員(44)も出馬を表明しています。
一方、対応に揺れているのが、補選の原因を生み出した自民党です。
議員辞職した谷川氏に加え、長崎2区選出で、現職の加藤竜祥衆院議員(43)とその父・加藤寛治元衆院議員(77)にも収支報告書の不記載が発覚。さらに谷川氏は新たな区割りで行われる次期衆院選では比例九州への転出が決まっていたため、仮に今回の補選で当選しても、次期衆院選で選挙区から出られる可能性は低いとみられています。
自民党への高まる不信感に次期衆院選の処遇…。
自民党県連の関係者は「逆風の中、手を挙げられるのか。3区は先がない選挙区」「仮に補選で当選し、次の衆院選は比例で出たとしても、今の支持率では激選が予想される」と話し、候補者が出にくい状況にあるといいます。
一方、「自民党の火を消すことはあってはならない」として、候補者を擁立すべきという声も上がっています。
その候補者として推す声が出ている大村市区選出の松本洋介県議(47)や、佐世保市・北松浦郡区選出の山下博史県議(49)は現時点で出馬を否定しています。
こうした中、県連の古賀友一郎会長(56)と前田哲也幹事長(60)は7日、党本部で茂木敏充幹事長(68)、小渕優子選対委員長(50)と面会。候補を立てるべきか、補選の対応を協議しましたが結論は出ませんでした。
前田幹事長は「時間も切迫しているので、戦うとなった場合の準備の検討をすると協議の中で確認した。『戦うべし』との意見が強くあることは茂木幹事長にご理解いただいた」と話しています。
衆院長崎3区の補選は4月16日告示、28日投開票です。