元県立高校の教諭が不当な懲戒処分を受けたとして県教委に処分の取り消しを求めた控訴審で、福岡高裁は県教委の訴えを棄却し、処分の取り消しを命じました。
元県立小浜高校のボクシング部顧問、林田耕二さん(62)は2013年、部活動の指導中、誤って生徒から右目にパンチを受けて負傷し、公務災害を申請して療養補償費約123万円を受け取りました。
一方、県教委は生徒が「パンチをしていない」と証言したことなどから林田さんがうその申請をしたとして懲戒免職処分にしました。
林田さんは2019年、懲戒処分の取り消しと慰謝料600万円を求め、長崎地裁に提訴。地裁は2022年、林田さんの担当医の証言などから、けがは部活の指導中のものと認め、処分を取り消す判決を言い渡しました。
県教委は判決を不服として福岡高裁に控訴していましたが、7日の控訴審判決で福岡高裁は一審判決を支持し、県教委の訴えを退けました。
原告・林田耕二さん(62):
「自分がつくったボクシング部だったから、そのまま続けて指導が出来ていたら良かった。せめて再任用でも教員として戻ることが、教え子たちに対して自分が何も不当ではなかったことを立証する一つの方法だと思っている。長崎県には、何でこんな懲戒処分になったのか、その経緯についてはちゃんと精査して説明してもらいたい。それが説明責任」
県教委は、「判決内容を精査し、今後の対応を検討したい」としています。