収賄の罪に問われている南島原市の職員の初公判が開かれ、検察は懲役1年2カ月を求刑しました。
起訴状によりますと、南島原市総務部防災課の参事で防災交通班長だった林田昭義被告(50)は2021年、老朽化した防災無線などを調査・設計する事業で特定の業者が「特命随意契約」で、受注できるよう便宜を図り、その業者から熊本市内の日本料理店や高級クラブなどで26万円相当の飲食接待を受けた罪に問われています。
長崎地裁で開かれた初公判で林田被告は「間違いございません」と起訴内容を認めました。
検察側は冒頭陳述で、「林田被告は2015年にその業者と知り合い、その頃から特命随意契約で受注できるよう便宜を図り、謝礼の接待を受けていた」「市の政策会議で、幹部らにその業者に委託するメリットが大きいことをアピールしていた」と指摘しました。また「接待を受けていたので、要望に応えてやろうと思った」など本人の供述も明らかにしました。
被告人質問で林田被告は違法と知って接待を受けていたことを認めた上で、「接待を受けたのは県外で、表沙汰にはならないという気持ちがあった」「短絡的で浅はかだった」などと述べました。
検察側は、「市政を担う公務員への社会的信頼を大きく損なわせる犯行」などとして懲役1年2カ月を求刑しました。
弁護側は「真摯な反省態度を示している」などとして執行猶予付きの判決を求め、裁判は結審しました。
最後に裁判官が林田被告に「何か言いたいことはありますか」と問うと、「浅はかな行動で日々後悔、反省をしている。可能なら信用を少しでも取り戻せるよう社会人として働いていきたい」と述べました。判決は2月15日に言い渡されます。