新興感染症の流行状況や診断法などを研究する長崎大学は、南米・ブラジルに研究拠点を設置したと発表しました。
長崎大学高度感染症研究センター・安田二朗教授:
「日本の研究者が常駐するような拠点がなかったのが大きなネックになっていた。今回長崎大学がブラジルに設置することで日本の感染症研究にも大きく貢献することができる」
ブラジルでは、急速な経済成長を遂げる一方、環境破壊を伴う開発などで動物由来の新興感染症の発生や感染症が起こりやすい状況となっています。
研究拠点は共同研究を実施しているブラジル北東部のペルナンブコ連邦大学に設置し、当面は4~5人態勢で取り組みます。
昆虫に媒介されて感染する「ジカ熱」や「シャーガス病」などの検体などを入手し、感染症が発生する実態の解明や治療薬の開発、人材の育成なども担います。
長崎大学高度感染症研究センター・安田二朗教授:
「これまで空白であった中南米にこういう拠点が置かれるのは大きな意義がある。これによって中南米でしか発生しない南米出血熱のような感染症の研究も非常に活性化される」
長崎大学が感染症の研究拠点を海外に設置するのはアフリカのケニア、東南アジアのフィリピン、ベトナムに次いで4カ所目です。
また、大学が今月1日に発生した能登半島地震で被害を受けた地域にいた学生の安否確認を進めたところ、3人の学生が被災したことが分かりました。3人とも問題がなく学業に復帰しているということです。