長崎市は再来年被爆80周年に予定する長崎原爆資料館の展示の更新に向けた基本計画の素案を示しました。
核情勢や歴史などの学識経験者でつくる運営審議会の小委員会が今年7月以降4回の会合を開き、核兵器をめぐる国際情勢など5つの論点で議論し、課題を整理してきました。
素案では、核兵器をめぐる国際情勢の展示について「なぜ核軍縮が進まないかを理解してもらうため、事実の列記ではなく、ストーリー性のある展示」などとすることや、原爆投下に至る歴史の展示に関する方針については「戦争には被害と加害の両方の側面があるため、多角的な視点から考えられるよう客観的な事実に基づいた展示」などを目指すとしています。
審議会の委員からは核兵器の開発や保有、使用などを禁じる核兵器禁止条約についてのコーナーを設けてほしいとの意見が出ました。
長崎原爆被災者協議会会長・田中重光委員(83):
「核兵器禁止条約を大事に取り扱ってほしい。私たちはやっぱりこの禁止条約は人類の希望だと思う」
長崎市は今回の議論などをもとに来年2月ごろまでに展示の更新についての基本計画を策定することにしています。