
沖縄県名護市の辺野古沖で船が転覆し、高校生ら2人が死亡した事故をめぐり、文部科学省が学校側の研修内容が教育基本法に違反すると判断したことに対し、被爆者や県内の教育団体などが共同で抗議声明を発表しました。
声明文:
「被爆地長崎、広島をはじめ全国の平和教育の実践活動を萎縮させる危険があります。『政治的中立性』違反認定の即時撤回を求めます」
声明を発表したのは、長崎の被爆者4団体や県教職員組合など13団体です。
3月、名護市辺野古沖で、京都の同志社国際高校の生徒を乗せた船2隻が転覆し17歳の女子高校生と船長が死亡した事故で、先月、文科省は、学校側の学習プログラムが政治的活動を禁じる教育基本法に違反するとして改善を求めました。
これに対し13団体は、「政治的中立性に反するという判断は乱暴」と反発。長崎を訪れた修学旅行生に被爆体験を語る際、憲法などに触れることも、政治的として学校側が敬遠する懸念があるとして撤回を求めています。
長崎の証言の会(元教員)山川剛さん:
「安全管理の問題だったのを教育内容に過度に介入したとすり替えというのが今回の問題だと」
長崎原爆被災者協議会田中重光会長:
「圧力をかけられているというのは広島長崎でも起こりうることだと」
抗議文は8日付で松本文部科学大臣、高市総理、自民党総裁へ郵送しています。
9日の閣議後、松本文科大臣は報道陣に対し「(抗議声明の)詳細は把握していない」とした上で、
「同志社国際高校の事案は政治的活動を行う抗議船として日常的に使用される船に生徒を乗船させるという極めて異例の事案への対応として見解を示したものであり、平和に関する学習を否定するものではない」「学習指導要領等に基づき、多様な見方や考え方を提示して、適切に平和に関する学習や主権者教育を引き続き行っていただくことは重要」として、丁寧に説明を行っていく姿勢を示しました。