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【長崎】コロナ集団感染のコスタ・アトランチカ出港

2020年05月31日

三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊中、乗員149人が新型コロナウイルスに感染したクルーズ船「コスタ・アトランチカ」がフィリピンに向けて出港しました。イタリアの「コスタ・クルーズ」が運航する「コスタ・アトランチカ」(8万6000t)は31日午前11時45分ごろ香焼工場の岸壁を離れました。岸壁には停泊中、医療支援などに関わった県や市、長崎大学、三菱重工業の関係者ら50人以上が集まり、イタリア語で航海の安全を祈る言葉を掛け、手を振って見送りました。船のデッキには「THANK YOU VERY MUCH」と書かれた横断幕を手にした乗員らが集まり、日本語で「ありがとう」と言ったり、手を降ったりして、感謝の意を伝えました。コスタ・アトランチカは1月29日に長崎に入港したあと香焼工場で修繕工事を受け、4月20日以降149人の乗員が新型コロナに感染しました。また11人が長崎市内の感染症指定医療機関に救急搬送され、31日現在も6人が入院中ですが、乗船者は全員5月28日までに陰性と確認されました。出港に向けて5月3日以降495人が帰国し、31日出港した船には運航に関わるエッセンシャルクルーら126人が乗っています。(19カ国・元陽性23人)対岸で見送った市民は「三菱に船が1隻もとまっていないのは寂しいなと思う。行ってらっしゃい。お疲れさん。複雑ですね。一言では言えない」と話しました。長崎県内に最初のコロナ感染者が出た3月、長崎県はコスタ社に対し乗下船の自粛を要請しましたが、交代などのため海外から来た乗員が乗り込んだり、乗員が長崎駅や長崎空港などを経由して帰国したりしていました。感染発覚当初、三菱重工業がその情報を把握しながら公表しなかったこともあり、市民の間には市中感染の不安が広がりました。31日午後の会見で中村知事は「船内での感染が疑われる状況の中でもう少し早く情報を提供して頂けるような仕組みをつくる必要もあるのではないか。クルーズ社において情報提供先、連絡先というのが明確に認識されていたのかどうかについても課題として残っているのではなかろうかと思っている」と話しました。三菱重工業と三菱造船は、近隣地域を始め多くの人に多大な心配をかけたことをお詫びした上で今後も関係者の理解を得ながら地域の発展に尽力したいとするコメントを発表しました。長崎港周辺の岸壁や岩場などからも多くの市民らが手を降って見送りました。見送った人は「コロナで大変だったでしょうから早く祖国に帰ってゆっくりされて下さいという気持ちで見送りました」「本当に皆さん帰られてよかったなあと思って感動しました」「長崎って大きな客船がいるのが似合う街なのでそれがいなくなるのは寂しい。またいつか絶対来てほしいですよね」など話しました。コスタ・アトランチカは6月11日(木)にフィリピンの首都マニラに到着する予定です。